|
バドミントン男子の日本代表の新旧エースらが違法カジノ店で賭博行為をした不祥事は19日、日本協会の調査が終了したことで一つの区切りを迎えた。銭谷欽治専務理事は「今後は再発防止に全力を尽くしたい」と語った。不祥事は日本のスポーツ界に根強い先輩と後輩の「上下関係」が不健全に作用したことが背景だった。
日本協会は2012年ロンドン五輪代表の田児賢一(26)=NTT東日本を解雇=やリオデジャネイロ五輪のメダル獲得が期待された桃田賢斗(21)=NTT東日本=らが賭博行為を始めた2014年以降の代表選手、スタッフら計106人を対象に調査を実施。新たに日本代表の西本拳太(21)=中大=が違法カジノ店に出入りしたことが判明した。
協会は田児を無期限の登録抹消、桃田に無期限の試合出場停止の処分を科したほか、NTT東日本のOBを含めた6人を6カ月から1年の試合出場停止とした。厳重注意となった西本を加えた9人のうち、桃田を除く8人はいずれも田児の母校である埼玉栄高出身。桃田は実業団と日本代表を通じた田児の後輩だった。協会関係者は「田児は親分肌なところがあった」という。
協会の聞き取りによれば、西本が違法カジノ店に最初に行ったのは練習後、2回目は夕食に誘った後だった。西本は「田児先輩に『ついて来い』と引っ張られた。殴られてでも行かなければよかった」と話したという。
銭谷専務理事は「間近に迫るリオデジャネイロ五輪に向けて前進しなければいけない」と区切りを強調した。今後は警察関係者による講習などで再発防止に努める。【田原和宏】
|
|